フランス リヨン帽子美術館インタビュー 4

2009年2月5日

2009.01.09  La Pays
平野徳太郎氏の表敬訪問
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去年は、パリ・京都友好協定締結50周年と日仏交流条約150周年の年であった。芸術とシルクの都市、リヨンにとっても、絶好の機会であり、リヨンの美術館も日本からアーティストを招待した。博物館もそうしたうちの一つである。
竹口まゆみ氏に引き続き、帽子博物館は、平野徳太郎氏の表敬訪問を受けた。彼の妻の、帽子デザイナー、平野紀子さんとともに、彼は京都のモードの教室で帽子の技術を教えている。彼は、帽子博物館では、大変よく知られた人物で、日本人の活躍がめざましいインターナショナル帽子コンクールにも欠かさず参加している。さらに、彼は、帽子辞典にも名を連ねている。彼はそのことを大変誇りに思っているだけでなく、この辞典がインターナショナル帽子コンクールとともに帽子の世界の発展に大変貢献するものだとも考えている。
彼によれば、現在、日本ではおよそ35%の人が帽子を被っているということである。そして日本では、フランス人の手による帽子が求められている。そのなかでも特にスパートリー によって製作された帽子は、フランスの専売特許であった。スパートリーというのは、オート・クチュールの帽子製作において、欠かせない素材である。しかし現在では、その技術は殆ど失われゆゆあるのだが、日本では大変重んじられている。平野氏自身、パリのオクタブ・フォイエ・モード高等専門学校でスパートリーを用いた帽子製作の授業を行った。そしてパリのサン・キャトリーヌの帽子コンクールに於いて、審査員を務めると同時に、京都のアトリエでもサン・キャトリーヌのパーティーを催す。
平野徳太郎・紀子夫妻、及び彼らの研修生たちは、フランスのコサッド市やシャゼル=シュール=リヨン市、そしてイタリアのアレッサンドラ市が催す帽子コンクールで幾度も受賞している。私たちは次回、帽子博物館が主催するインターナショナル帽子コンクールでも彼らの作品を目にすることができるだろう。
このコンクールは、2年ごとに開催され、2009年度で8回目となる。今回のテーマは「さまざまな幾何学」である。帽子のクリエーションは、フォルムの面及び機能面でこのテーマに沿ったものでなければならず、素材はフェルトの使用が望まれる。また参加作品は着用可能なものっでなければならない。