フランス リヨン帽子美術館インタビュー 3

2009年2月5日

2009.01.02-08 La Gazette
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日仏文化交流、帽子デザイナーたちのもとで光り輝く
ギャラリー・レガール・シュッドによって催された第二回ビエンナーレは、日仏交流150周年を記念し開催された。フランスのリヨン市において、いくつもの催しがとり行われた。帽子博物館は、この第二回ビエンナーレに際して、平野徳太郎氏を招待した。<平野徳太郎氏は、シャゼル=シュール=リヨンの帽子博物館の展示を見るために日本から駆けつけた。  

このデザイナーは、京都のモードの教室で帽子の技術を教えている。彼と彼の妻、紀子氏のフェルト製およびパラバンタル製の作品は現在、帽子博物館に於いて展示されている。平野氏は、リヨン芸術家の責任者に会うためにフランスにやってきた。彼は、パリのエスモードでファションを学んだ。<ディオールの帽子>とも称されている※ジャン・バルテと会いアドバイスを受けて後に技術を完成させる。日本に帰国後、後進の育成のために京都でモードの教室を開く。そこでは主にスパートリー(植物素材でスパルトの葉の繊維を織ったものに糊付けされたモスリンやコットンを付着させたもの)を使った伝統的な帽子製作技術が教えられている。この技術は、木型でかたどりするフランスでは、殆ど見られなくなったが、日本では、スパートリーで作った帽子の型が今尚用いられている。スパートリーの利点は、この素材を使うことで、クリエーター独自の型を生み出す事ができることである。平野夫妻は、彼らの研修生たちとともに、帽子博物館のイベントに参加する。彼らの帽子は、常に注目を引き、展示作品として選ばれる。彼らの研修生は、しばしば、帽子博物館主催のコンクールで賞を受賞する。最近では、2007年の帽子コンクールで、谷澤まり子さんが優秀賞を獲得した。平野夫妻は、麦藁帽の産地コサッド市、ボルサリーノで有名なアレクサンドラ市が主催するコンクールで、数多くの賞を受賞している。


※ジャン・バルテと会って感激した後に、独自でスパートリー、トワールゴメの技術を完成させる。