OPERA -緋色の夜を千年のかりそめ

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マリ・クレール 1991年5月号 掲載記事

1987年に北白川銀閣寺近くに設立されたクチュール&アトリエの場所を利用して Tokutaro HIRANO's expreme par la mode(平野徳太郎のモード表現・行為)の有機的な発想方法として、
オペラ OPERA-緋色の夜を千年のかりそめ-を上演しました。
舞台は一坪(二畳)の広さで、称して“一坪オペラ”。 
翻って思えば、ヨーロッパのオペラ劇場は雄大荘厳で、一つの“都市”のような機能さえ備えております。それに引き替え“一坪オペラ”とは何と微少なことでしょう。
しかし、これはお茶の世界にも共通する入れ子の世界、密度の高い空間に壺中天の如き拡がりを限りなくイメージさせてくれるかりそめの空間といえるのではないでしょうか。
確かにヨーロッパからもたらされたオペラではありますが、日本の浮世絵が印象派に影響を及ばしたように、やがては“一坪オペラが”がヨーロッパのオペラに刺激を与えることになるのではないかと密やかに夢想している次第です。

構成・演出 佐藤 信
出演 山口小夜子・新井 純
衣装 平野徳太郎